2020年、また新しい才能の息吹が音楽シーンをかき回す事になる
その名はシンガーソングライター mahina(マヒナ)
本サイトでは本格ブレイク前にインタビューを試みた
TEXT : DAILY HOWL
-- mahinaさん自身はシンガーソングライターだと思いますが、“mahina”という音楽プロジェクト集団という事でもあるのでしょうか?
mahina:
わたしは今、オンラインの時代に本格的に入ってきたことで、「音楽」とは、声とメロディを届けることだけでなく、歌に似合う衣装 も見ていただいて、曲の雰囲気を一緒に感じてもらうことだと思っています。なので、わたしの声と詞とメロディ、その音を奏でてくれるバンドメンバー、世界観を創ってくれる衣装とスタイリング、そのすべてが「音楽」。
その全部が「mahina」です。
-- mahinaさんのプロジェクトに関わっている人達の紹介を是非、mahinaさんよりお願い致します
mahina:
はい。ヴォーカルと作詞作曲担当が、わたしです。
わたしと一緒にいつも曲作りをしてくれて、演奏もしてくれる音楽プロデューサーのKim-sun、他にもベース、ドラム、ギター、ピアノを演奏してくれるメンバーがたくさんいます。そして、スタイリスト兼パーカッション担当のBambi-changが、今回の「everyday」MVの白い衣装もオリジナルで創ってくれました。
-- 4月25日にデジタルリリースされた3作連続配信リリース第1弾「Light Of the World」はいきなりラジオ局を中心に大きな反響となりました。この楽曲にはどんなメッセージが込められていますか
mahina:
この曲は、わたしの声を聴いてくれた作家さんがイメージを感じて創ってくださった、素敵で大好きな作品です。
「愛は誰も裁かない」という歌詞は、わたしが大切にして生きてきた「ゆるす心」を伝えていますし、ゆるしあわないと「あなたのレンズで世界を見たい」という、相手との繋がりは経験できない。
わたし自身がこのメッセージへの感動で揺れたまま歌えたことが、たくさんのリスナーの方の感情も揺らしてくれたのだと感じています。
-- 続く第2弾「GRIMM」は5月23日に配信となりました。mahinaさんの声には透明感や儚さを非常に強く感じます。この楽曲はグリム童話がモチーフとなっているのでしょうか
mahina:
この歌は、わたし自身をモデルに書きました。
わたしは、人の心と心が繋がっているのを敏感に感じます。だからこそ、一見ネガティヴな〝生きることの謎や怖さも、繋がっている〟ことを描きたかった。
それを、絵本を読み聞かせるストーリー展開にして書いてみました。
絵本というのは、人が生きる時の例え話でもあるからです。
世界の物語には、よく天使と悪魔が登場しますよね?だけど、「天使と悪魔がいる」のではなくて、「戦いたがる悪魔をゆるすために、天使がいる」。
単純なようで、この大きな違いの難しさは、実際に生きてみないとわからない。
こんな風に、子供だった頃の「どうして? なぜ?」という不安感は、実は大人になっても答えは出ない孤独感とも、とても似ていて……繋がっています。
そんな光と闇の世界観を、一言聴いただけで思い浮かべられる言葉、みなさんが読んできたであろうグリム童話の「GRIMM」から、いただきました。
-- そして7月1日配信楽曲「everyday」、6月からは全国の有線放送でもオンエアが始まりました。MVのスケール感にも、エモーショナルなサウンドメイキングや圧倒的な歌声にも心が震える楽曲ですが、最後はこの最新曲への想いをお聞かせください
mahina:
「everyday」はmahinaとしてのすべてで、スタートである。そんな歌と映像を創ることができたと思っています。
ずっと感じてきた「人の弱い感情、罪や失う意識、体やジェンダーや国の違い、動物と自然、その全部を抱えて生きていきたい」という想いを、全部込められました。
わたしの弱さが持つ罪みたいなものも、ゆるせた……自分が楽になれた曲でもあります。
そのことを、見渡す限り海が凍っている極寒のロシアでの衝撃的なMV撮影で経験しました。
物を落としたら一瞬で飛んで消えていく強風の中で、カイロは寒さで破裂して使えませんし、顔と耳と口の感覚も無くて、指も腫れてしまって。
視界も意識も真っ白になっていった先に現れたのは、寒さではなく「怖い」という感情でした。
歌いながら撮っている間、映画のように「恐怖」の感情が映像になって浮かんでは消えて……生きることと死ぬことの、ちょうど真ん中に立っていた体験だったんです。
この歌のテーマ〝辛く厳しい環境の中でも、それでも生きていく美しさ〟を、どうしても届けたい想いがありました。
カメラを止めながら、スタッフが何度もわたしを抱きしめてあたためてくれましたが、終わった時は気を失ってしまって……(苦笑)。
チームも極寒状態だったのに、わたしの「表現したい」気持ちの、倍以上に寄り添ってくれて。
「辛さを抱えたいと歌いたかったわたしの方が、抱きしめられて、ゆるされたかったんだ……」と、氷の上のシーンではそれが嬉しくて、サングラスの向こうで泣きながら歌っていました。
海外の現場チームのみなさんもとってもあたたかくて、言葉は通じないのに、笑顔でおじきをしただけで気持ちに気づいてくれるんです。
怖さの中でも、言葉の壁がある中でも、こんな風に繋がっていることが、もの凄く幸せでした。
自分が今まで生きてきた中で、一番感動した忘れられない作品になりました。ありがとうございます。