昔のモータウン・ソウルを再現したようなこのレトロなサウンドをラファエル・サディークは”ダウンタウン・ミュージック”と定義した。それは、繁華街(ダウンタウン)のあちこちから流れてくるような楽しい音楽だから…「本当にいい音楽は時が経ってもけっして色あせることはない」とラファエルは信じている。
本作では60年代のモータウン・サウンドを再現するために古い録音機材を使ったり、昔の技法でレコーディングをしたり工夫を凝らし、ラファエル自身もタイムマシンで過去に戻ったかのような時代に忠実な歌唱スタイルでアルバムを完成させている。アルバム曲“オー・ガール”はフィリー・サウンドを代表するヴォーカル・グループのザ・デルフォニックスやスタイリスティックス、シャイ・ライツの優しさとスウィートネスをイメージさせてくれる。また
“ジャスト・ワン・キス”ではグラミー受賞アーティスト、ジョス・ストーンをフィーチャー、テンプテーションズを思わせる。他にサム・クックの影響を受けた“サムタイムス”も素晴らしい。ファンク・ブラザーのジャック・アッシュフォードによるモータウン・テイストのタンバリンが特徴的で、スティーヴィー・ワンダーとバルティモアの新人CJをフィーチャーした“ネバー・ギヴ・ユー・アップ”
は「スウィングせずにはいられなくなる曲なんだ」とラファエルが語る。さらに25年のキャリアを持つベテラン、ニューオリンズのリバース・ブラス・バンドも参加している。『ザ・ウェイ・アイ・シー・イット』は40年前にレコーディングされた名作と錯覚してしまうほどのクォリティーだ。本作は既にビルボードのR&B/ヒップホップ・
アルバム・チャートとデジタル・アルバム・チャートでトップ10入りしている。そしてニューヨークでトップの新聞”The New
York Times”では『ザ・ウェイ・アイ・シー・イット』によってラファエルがはついにマーヴィン・ゲイ、スモーキー・ロビンソン、スティーヴィー・ワンダーやホーランド・ドジャー・ホーランドといったレジェントの仲間入りをしたと絶賛している。
ラファエル・サディーク 『ザ・ウェイ・アイ・シー・イット』
2009年3月18日/SICP-2133/\2,520(税込)
〈CD収録曲〉
01.シュア・ホープ・ユー・ミーン・イット
02.100 ヤード・ダッシュ
03.キープ・マーチング
04.ビッグ・イージー
05.ジャスト・ワン・キス feat. ジョス・ストーン
06.ラヴ・ザット・ガール
07.コーリング
08.ステイング・イン・ラヴ
09.オー・ガール
10.レッツ・テイク・ア・ウォーク
11.ネヴァー・ギブ・ユー・アップ feat. スティーヴィー・ワンダー&CJヒルトン
12.サムタイムス
13.オー・ガール feat. ジェイ・Z
14.ビッグ・イージー (ユーロ・ヴァージョン) <ボーナス・トラック>
15.カム・オン・ホーム<ボーナス・トラック>
16. ケリー・レイ<ボーナス・トラック>
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