昨年末より、キャンシステムの有線放送、各洋楽チャンネルでも先行オンエアされヘヴィ・プレイとなっているLENNY
KRAVITZ (レニー・クラヴィッツ) の新曲、「I'll Be Waiting」を皆さんはもうお聴きになっただろうか?
どこからどう聴いても 「これぞレニクラ」 と言わんばかりの、珠玉のバラード・ナンバーだ。しかも、何よりも嬉しいのは、往年のファンには堪らないような原点回帰のサウンドに仕上がっていること。さらに、ここ日本では映画
『L change the WorLd』 (『デスノート』のスピンオフ作品)の主題歌にも決定しており、より幅広い層へとアピールする事が期待できる。
そんな
「I'll Be Waiting」 も収録された待望のニュー・アルバムが、通算8枚目となるスタジオ・アルバム 『It Is
Time For A Love Revolution (邦題:『ラヴ・レヴォリューション』)』 だ。ソウル、ロック、ジャズ・グルーヴが融合したサウンドをフィーチャーし、先述の通り、初期の頃のフィーリングもふんだんに盛り込まれている。もちろんただの懐古主義には陥っておらず、現代的なヴァイブも感じられるところは、レニーの本領発揮といったところであろう。さらにこれまでどおり、全楽曲において、ほぼ全ての楽器をレニー自身が演奏している。それによって生まれる統一感のあるグルーヴ感は唯一無二だ。
そして、このアルバムの大きな鍵となっているのは、アルバム・タイトルにもあるとおり、「ラヴ(愛)」 だ。
「愛の革命は、一人一人の内面的な部分から始まるものだと思う。まず心の中で始まって、それを今度はそれぞれが家族に対して実行し、次は小さなコミュニティでと、どんどん広がっていくもの。革命というものは規律に従うものであって、愛の革命とは、愛に人生を支配させる、という意味だ。毎日目覚めたときに、最善を尽くして愛を与え、宇宙にポジティヴなエネルギーを与えるよう努力する、って事さ。自分を愛し、神を愛し、周囲の人々を愛し、自分の環境の中で愛を与えるという規律を、毎日実行する事なんだ。」
レニー・クラヴィッツはこのように、今回のアルバムのテーマについて語っている。
あの9.11以降、世界はドラスティックな変化を遂げた。そんな、世界がネガティヴな方向へ進んでいる中でレニーは、愛を受け入れ、また、愛を与える事こそが革命であるという事をこのアルバム
『ラヴ・レヴォリューション』 を通して訴えているのだ。彼の音楽が、ロックン・ロールの興奮と同時にカタルシスを伴った感動を呼び起こすのは、そのためだろう。8枚目にして、またもや歴史的な名盤の誕生である。
「裕福で全てを手に入れているのに、世界で一番惨めな人々がいる。逆にたった2ドルしかなくても、この惑星で一番幸せな人もね。心の中に愛と神の存在があるだけで、僕は十分幸せだ」
− レニー・クラヴィッツ |