「おとぎ話を信じる人がいるように、僕は音楽を信じてる。僕の耳に聞こえるものは、パパとママからやってきた。ひょっとしたら、ふたりはそうやってお互いを見つけ出したのかもしれない。ひょっとしたら、ふたりはそうやって僕を見つけ出してくれるかもしれない」――11年と16日、施設で孤独な日々を耐えていた少年エヴァンは、両親に会いたいという希望だけを胸に、何ひとつ手がかりがないまま両親を探す旅に出る。しかし、その途中で出会う人々、生まれて初めて手にした楽器の数々が彼の運命を変える。瞬く間に開花するエヴァンの音楽の才能。彼は、絶え間なく湧きあがる音楽に乗せて、あふれる両親への愛を奏で続ける。必ずこの音は、この世界のどこかにいるふたりに届くと信じて……。ひたむきな心に音楽の力がふり注ぎ、はなればなれになっていた心と心が呼び寄せられる。ひとりの少年が放つ単音は両親の魂と共鳴し和音となり、世界で一番美しいシンフォニーとなって響きあうのだ。 『ネバーランド』『チャーリーとチョコレート工場』でジョニー・デップを相手に自然体の魅力を輝かせたフレディ・ハイモア。今回も、名子役と謳われるのも納得の確かな演技力で、悲しみと強い意志を併せ持つ音楽の神童を表情豊かに演じきっている。また、『ベルベット・ゴールドマイン』でブレイクし、『マッチポイント』『M:i:V』などの話題作に出演するジョナサン・リース=マイヤーズ、『ウェイトレス 〜おいしい人生のつくりかた』で注目を集めたケリー・ラッセル、アカデミー作品賞を受賞した『クラッシュ』のほか『ハンティング・パーティ』『ブレイブ ワン』と出演作が目白押しのテレンス・ハワード、言わずと知れたオスカー俳優ロビン・ウィリアムズといったキャスト陣が奏でる演技のアンサンブルも見逃せない。彼らは劇中で迫真の演奏シーンを披露するが、特にジョナサンのプロ顔負けの歌唱力と演奏ぶりは必見。監督は、父である名匠ジム・シェリダン監督によって映画化された『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』の脚本でアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞にノミネートされた新鋭カーステン・シェリダン。離れていても繋がっている3人の想いが、まさに音楽のシンフォニーのごとくシンクロするさまを、巧みに表現している。家族の絆を物語る音楽は、本作のもうひとつの主役だ。脚本に感銘を受けた名だたるミュージシャンが参加した珠玉の楽曲は、実に40曲以上。クラシック、ロック、ゴスペルなど、ジャンルの垣根を越え良質なサウンドがクロスオーバーする楽曲の数々は、鳥肌が立つほど素晴らしい。 本作は、ドラマチックな現代版おとぎ話だが、単なる絵空事ではない。あきらめずに愛する人を想う強い気持ち、奇跡を呼び起こす音楽のパワーを心から信じたくなる、そして、すがすがしい感動が胸を温かくしてくれるファンタジック・ストーリーだ。肝心要の音楽を堪能するためにも、ぜひ音響のよい劇場で鑑賞を。
提供:東宝東和 プレゼントの受付は終了しました! 応募締切: 2008年7月27日(日)受付分まで有効。 当選発表: 賞品の発送をもってかえさせていただきます。