本作『グミ・チョコレート・パイン』の原作は、音楽だけでなく、映画やTV、小説やエッセイなどで幅広く活躍する大槻ケンヂの同名小説。クラスの連中を小バカにし「自分はアイツらとは違う」と息巻くものの、何をすればいいのか?となると本当のところはさっぱりわからない悶々とした日々を送る高校生たちの恋と友情をリアルに描く青春巨編で、1993年の発売以来“青春のバイブル”として今もなお熱狂的な支持を集めている。その『グミ・チョコ』が遂に映画化!『ビーバップ・ハイスクール』みたいなケンカもなければ、『ウォーターボーイズ』みたいに泳いだりもしない、でも観終わるとなぜか胸が熱くなる、どこにでもいる若者たちの普遍的な青春映画が誕生した。脚本・監督を務めるのは、劇団「ナイロン100℃」主宰ほか、映画『1980』(03)、『おいしい殺し方』(06)やTVドラマ「時効警察」(06、07)を手がけるなどマルチな才能を発揮する、作・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)。テーマ曲には、電気グルーヴが8年ぶりの新曲を提供している。大槻ケンヂの筋肉少女帯も、電気グルーヴ(前身のグループ名は人生)も、80年代初頭にKERAが立ち上げた伝説のインディー・レーベル「ナゴム・レコード」に所属し、共に青春の80年代をすごした盟友同士。ナゴムを代表する3アーティストがこの『グミ・チョコ』映画版のために集結したことは、ちょっとした一大事だ。 全3巻の大河小説である原作をKERAは、映画独自に用意した設定と展開、テンポのいいオフビートな演出によって、原作の良さを活かしつつ2時間の青春ドラマに鮮やかにまとめあげた。さえないまま大人になってしまった“今”の賢三の視点が、原作とはまた一味違う妙味を生み出している。美甘子が残した一文の謎が明らかとなるラストも小粋だ。主人公・賢三を演じるのは、“サエない、モテない、カッコよくない”男子になるために8kg太るという役者根性を見せた石田卓也。美甘子に扮する黒川芽以は、常に賢三の数歩先を行く“できる感じ”なヒロインを魅力たっぷりに好演している。賢三の仲間達には、金井勇太、森岡龍、柄本佑ら若手の実力派が競演。また、21年後の賢三役には今や日本映画には欠かせない名優・大森南朋。その他、あっと驚くあの人やこの人も登場して、多彩な顔ぶれが楽しい。 青春時代の多くは、爽やかでかっこいいものばかりじゃない。むしろ、漠然とした焦りや不安に足掻いたり、憧れとコンプレックスのジレンマに鬱々悶々としたり、意気込んではみたものの尻込みしたりのスパイラル。何かを成し遂げられなくたっていい、滑稽でもいい、じれったくてもいい。前進後退しながらあくせくする少年少女の青臭く甘酸っぱい等身大の青春は、愛おしさに溢れている。青春とは、人生とは、“グミ・チョコレート・パイン”なのだ。可笑しくて切なくて胸キュンな、これぞ青春映画の決定版!
映画『グミ・チョコレート・パイン』マスコミ用プレス(A3サイズ新聞型)を抽選で5名様にプレゼント!たくさんのご応募お待ちしております! 提供:東京テアトル プレゼントの受付は終了しました! 応募締切: 2008年1月27日(日)受付分まで有効。 当選発表: 賞品の発送をもってかえさせていただきます。