NEW CAN MAGAZINE
INTERVIEW
ベルリンとイビサを拠点にUKをも席巻したニュー・アンビエント・ムーブメントの最先端アーティスト、クリス・ジッペル。ペット・ショップ・ボーイズやロビー・ウィリアムズのサウンド・プロデュース、ファットボーイ・スリムへの楽曲提供や人気コンピレーション『IBIZA
CHILLOUT』などで名高い彼が、今回はアーティストとしてクリス・ジッペル名義で新作をリリースする。ヨーロッパ・クラブシーンの最後の大物と呼ばれるクリスがNew
Can Magazineに登場です。
■タイトルの「genuine horizon」は直訳すると「純粋な地平線」ですが、このタイトルの由来は?
クリス:“genuine”という言葉が持つ“真実”“オリジナル”“リアル”というフレーズは、常に私の心を魅了してきました。この世の中で、より多くの経験を得た今でも私の"純粋な地平線"あるいは"純粋な意識"を持つことがライフスタイルの中でも大切だと感じているからですね。
■なるほど。作品全体のコンセプトはなんですか?
クリス:すべての曲に言えることなのですが、曲の中で“すべての歌の中で、時間がまもなく止まり、暗黙の中にある美しい希望、あるいは遠く離れた記憶を感じるところで、純粋な瞬間を広げるべきである”というのがこの作品のコンセプトになります。不思議な感性を持つ人や、今何か憂鬱な問題を抱えている人が私のサウンドによって精神的な状況が良くなってくれると嬉しいですね。
■続いて、制作のことについてお聞きしますが、今作においてのこだわりは?
クリス:男性のヴォーカルに関して、歌っているのは私自身なのですが、サウンドのピッチに対して、ほんの少しだけ歌が遅れて流れるように工夫しました。そうすることによって、よりドラマティックなハーモニーを生み出せると考えたんです。
■歌詞では表現できないところで情景が浮かんでくる感じもありますが、そういったイメージは大切にされますか?
クリス:そうですね。美しい景色を見て、心の中にサウンドが沸いてくることもありますね。リスナーが、同じような空気や情景を思い浮かべてくれたら、それは非常にスピリチュアルなことだと思います。
■アルバムを聴かせて頂き、とても気持ちが癒されました。ヒーリング的要素があると思ったのですが。
クリス:確かに私はあまりダンサブルで複雑な音楽を作ってはいませんからね。やはり、多くのリスナーはサウンドでリラックスできるでしょうし、制作する上でメロウなグルーヴを意識しました。
■7月に予定されている来日公演はどのようなステージにしたいですか?
クリス:このツアーで日本について詳しくなれたらいいですね。そして、旅先でプレイするライブはベルリンでギグするよりも少しエモーショナルな印象になるでしょうね。とても楽しみにしています。
■最後に日本のNew Can Magazine読者にメッセージをお願いします。
クリス:音楽ではなく映画でのイメージになるのですが「ghost in the shell」(アニメ「攻殻機動隊」)や「princess
mononoke」(映画「もののけ姫」)は、私が最も好きな精神であったり、日本人の深い純粋さを感じます。そのような国の雑誌の読者の皆さんに、私のメッセージを送ることができて嬉しいです。ありがとう。 |