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神威龍牙 神威龍牙

充実した時間や日々を送りながら死ぬまでに何ができるかを考えてもらいたい
  その歌声と精力的な活動により、着々と世間にその名を浸透させている奇才、神威龍牙が約4ヶ月ぶりとなる3枚目、両A面シングル「Oracle/REAL」をリリース。新たに二胡や錫杖の音を取り入れ、オリエンタルな雰囲気を醸しだした「Oracle」と、ループするようなサウンドと歌声が味わい深い「REAL」は、楽曲、歌声、アレンジ共に、前作よりも遥かにクオリティー・アップした傑作だ。“苦悩を主体とした生”という、荘重なテーマでありつつも、その先にあるはずの確かな希望へと向かっていく本作は、アーティストとして人として成長し続ける、彼の姿を顕著に映し出していた。

“苦悩を主体とした生”を歌った壮大な物語
■3枚目となるシングル『Oracle/REAL』がリリースされますが、1曲目の「Oracle」はタイトルを訳すと、“神託”、“聖書”という単語を意味しますよね。

神威:そうですね。神託とか聖書って言葉は、一般的にはキリスト教のイメージが強いと思うんだけど、僕の中では仏教のイメージの方が強かったので、「西遊記」の世界観も少し織り交ぜながら、“天竺”とか、“極楽浄土”という意味合いを籠めました。。

■全体的には、どのようなものをイメージされたんですか?

神威:苦悩を主体にした“生”。つまり、生きていくには苦しみが伴うけれど、すべてを乗り越えた後には、天国に辿りつきたいなという内容です。

■神威さんの歌詞って、短い時間のことを歌うというよりは、どちらかと言うとひとつの長い物語が、一曲の中で完成されている感じがしますよね。

神威:そうですね。僕は曲を聴くと、頭の中に自然と霊的な楽譜や声が流れ込んできて、それを歌詞にするので、一瞬の出来事というよりも、人が誕生してから死ぬまでの長い時間を歌詞にすることが多いですね。ある種のドラマや映画を、一曲の中で表現しているというか。でも、一曲で完結するというよりは、今までの曲や次にできる曲とも少しリンクしているんですよ。だから、アルバムとして聴いたときには、また新しい人生模様として、違った物語が見えてくるはずです。

■アルバムも期待しています! 続いて、「REAL」はどのような感じで書かれたんですか?

神威:今回、作曲を担当してくれたHirobowから曲をもらったとき、「毎日が同じことの繰り返しで飽きていて、そこから飛び出して新しい世界へ踏み出したいという気持ちをテーマにしている」って言われたんですよ。それを聞いたときに、僕は漫画「DEATH NOTE」(※1)が大好きなんですけど、なんとなく主人公のキラのことを思い出したんです。彼も世界を変えたくて、デスノートを使いましたよね。僕も原作を読んでいるときから、「もし自分の目の前にデスノートが落ちてきたとしたら、どの道を歩むだろう」って、常に考えていたんですけど、「REAL」を聴いたときに頭の中に流れてきた先代の言霊も、やっぱり同じようなことを考えていた。今は亡くなった方たちの中にも、この世を変えたくて戦っていた人たちもいただろうし、そういうことと重なるんじゃないかと思って書きました。

■なるほど。「REAL」というタイトル通りに、今の世の中のことを歌ってるのかな、という感じもしたんですが。

神威:そうですね、今の世の中には「喉もと過ぎれば熱さを忘れる」という感覚があると思うんで、それではいけないんじゃないかなって。一概に「人間はこうあらねばならない」と言うつもりはないけど、無駄に時を過ごすのではなくて、充実した時間や日々を送りながら、死ぬまでに何ができるかっていうことを考えてもらいたいですね。

■特に〈信じられない現実がまるで夢のように起こる〉という歌詞が、印象に残りました。

神威:ニュースを見ていても、道徳的な観念ではありえないような事件が起こっていますよね。そういう不可思議で理解できないことが増えてきているというのが、マイナス要素としての〈信じられない現実〉であり、逆にプラス要素としては、小さい頃に思い描いてた、夢のような未来が実現されているということ。例えば、車が喋るなんてありえないだろうと思われていたのに、今はカーナビが喋っちゃうような時代になった。自分自身に置き換えてみても、まず歌を出してアーティストとして活動できてること自体が、ありえないことだと思うし。また、いい評価を得たからといって、苦悩した日々がやがて過去にならないようにっていう、自分への戒めもありますね。

■歌詞ひとつを取っても、様々な意味が込められているんですね。2曲通して、リスナーに是非ここを一番聴いてもらいたいという、聴きどころはありますか?

神威:「Oracle」は、アレンジで使った二胡(※2)かな。もともとアジアの楽器とか雅楽が好きなんですけど、こういう音色がロックでキャッチーな曲の中に入ってくるというのが、今までになかったものだから、新しい試みでした。「REAL」はサビ前のシャウトですね。僕は声も楽器だと思っているので、声の要素を楽器的に使ってみました。あと、間奏中に隠し声が入っているんで、見つけてみてください(笑)。2曲とも、今、語ったこと以外にも聴いていく中でいろんな発見があると思うから、そういうものを見つけ出しながら楽しんでくれればいいかな。そのうえで、「この曲好きなんだ」って言ってもらえたら嬉しいですね。

■では最後に、2008年の抱負をお願いします

神威:2008年は“乱発”っていう言葉が似合うくらいの出産ラッシュになるんじゃないかな。たくさん出すっていうと、クオリティーが下がるイメージがあったりするけれど、そうではなく、「前作を超えているな」っていうレベルのものを出していくので、楽しみにしていてください。

(※1)「DEATH NOTE」……原作:大場つぐみ、作画:小畑健。2003年12月〜2006年5月まで「週刊少年ジャンプ」にて連載。コミックス累計発行部数が2000万部を超えた、大人気サイコサスペンス漫画。アニメ化、実写映画化もされている。
(※2)二胡……2本の弦の間に弓を挟んで弾く、中国の弦楽器の一種。
Interview&Text:新井洙香
RELEASE
『Oracle/REAL』『Oracle/REAL』 発売中
RPG-333¥1,200(税込)
CONSECRATE RECORDS
1.Oracle
2.REAL
PROFILE
神威龍牙(かむい りゅうが)
2006年11月、Message Projectとして発売した詞集+Emotional CD『CONSECRATE〜DIVINE〜』を皮切りに、アーティスト活動を開始する。2007年6月にデビュー・シングル『SPARK/Lecherous』、9月に『DECIDE/Cherub』をリリース。その他、自身のアクセサリー・ブランド「SHADOW MOON」を設立し、自らデザインを手がけるなど、幅広い才能を発揮している、注目度大のビジュアル系チェアウォーカー・ヴォーカリスト。
http://www.camuiryuga.com
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