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臼井嗣人(うすいひでと) 臼井嗣人(うすいひでと)

聴く者の耳を奪う比類なき歌声が、力強いアコースティック・ギターをメインとしたサウンドに乗せて歌い上げる世界は、ノスタルジックであり、エモーショナルであり、痛いほどにリアル。話題が話題を呼び、2007年3月リリースのミニ・アルバム『疑似餌(ギジエ)』に収録された「春紫苑」を配信で発表したところ、20万ダウンロードを達成。そして待望のメジャー・デビュー・シングル『グッドラックイエスタデー』は、「カウントダウンTV」(TBS系列)の1月度エンディングテーマでの起用が決定! 何がこれほどまでにリスナーの共感を呼ぶのだろうか。シンガー・ソングライター、臼井嗣人(ウスイ ヒデト)。その世界に触れて欲しい。
■渋谷、下北沢を中心に路上ライブを行なってきたそうですね。
臼井:下北は音楽でもパフォーマンスでも、路上でやっている人がたくさんいて、街にいる人も音楽に対して温かくて。バンドを解散してソロになってから、休んでいた時期を除くと、路上時代は一年間ぐらいなのですが、たくさんの人との出会いがありました。(配信で発表した楽曲「春紫苑」が)20万ダウンロードにもなったのは、その人達の顔は見えないけど、路上で聴いて僕を知ってくれた人の中に、家で調べてダウンロードしてくれた人もいたのかなって。

■でも一年間って、決して長くはないですよね。臼井さんの“伝える力”がすごく強いんじゃないかな、って思うのですが。
臼井:路上ライブを重ねていると、オーディエンスがたくさんいる時と、あまりいない時があって。なんでなのかなって考えてみると、演奏しながら「寒いなー」とか、注意散漫になっている時って人も寄ってこないんですよね。しっかり想いを込めて演奏できた時は、たくさんの人が聴いてくれる。今は、レコーディングやライブでも、聴いてくれる人への想いをしっかり込めて歌うようにしています。

■なるほど。音楽性では吉井和哉さんの影響が大きいということですが。
臼井:吉井さんの書く歌詞って、抽象的だけど伝わる日本語なんですね。抽象的だから、人によって捉え方は変わるんだけど、その言葉に吉井さんの信念がしっかり存在するから、どう伝わっても感動を呼ぶ。僕がバンドでやっていた時は、同じように作って歌っていたつもりで、ただ抽象的であることに甘えていたんです。それに、歌を厚いバンド・サウンドで誤魔化していた。ソロで活動するようになってからは、どんな意味にとってもらってもいいから、その言葉にしっかり自分の信念を持って歌うようになりましたし、言葉がしっかり伝わる表現を探した結果がアコースティック・ギターだったんです。

■その想いが伝わって、20万ダウンロードという結果が出た、と。
臼井:そうですね。まだ、実感が湧かないですけど(笑)

■デビュー・シングルとなる今作「グッドラックイエスタデー」もそうですが、臼井さんの歌は、人、世界、自分自身に対してもどこか悲観的で、だけど希望を持って前を見てますよね。
臼井:単に絶望を歌うだけの曲はあまり好きじゃなくて。それを人に伝える意味を感じないんです。でも、世の中ハッピーなことばかりかって言ったら、そうじゃない。さっきの表現の仕方も含め、ソロになって、自分と自分の音楽を見つめ直したんです。ダメな自分や、世の中の不条理だとか、そういうものをしっかり受け止めて前へ進んでいこう、っていう気持ちが今作に出ていると思います。

■聴いていると、すごく自分の内面を見つめて作られた曲なんだな、ということが伝わってきます。「グッドラックイエスタデー」は、例えば社会に出たばかりの人とか、自分というものを思い知って、でも歯を食いしばって頑張っていく、そんな人達にリアリティのある応援歌になるんじゃないでしょうか。
臼井:そう思って頂けるとうれしいです。人によってやっぱり受け取り方は違うので、同年代だけじゃなくて、いろんな世代の人に何かを感じてもらえたらいいですね。この曲は、大人になって変わっていくことへの恐れを歌っているんです。子供の頃“カッコいいな”って思っていた大人たちと同じ年齢に自分がなってみると、汚れていたり、情けなかったりする。僕が子どもの頃に見た大人たちも、実はそうだったんじゃないかって。

■でも、それでも頑張ってる。
臼井:そう、だからカッコいいんですよね。あの頃に感じていたより、ずっと複雑な大人の世界で前に踏み出そう、という歌なんです。

■2曲目の「人であるがゆえ」では抽象的な歌詞ながら、自分の中の汚れている部分を大胆にさらけ出していますね。
臼井:“こんなこと書いて大丈夫かな”っていう葛藤はあったのですが(笑)、キレイに聞こえることだけ自分をさらけ出すっていうのは違うな、と思って。

■どんな気持ちで作った曲なんですか?
臼井:僕のまわりで、一緒にバカやってた友達が結婚して、子供ができて、人格的に成長していくのを見ることが多くなってきたんです。大人になると、汚れたり、誰かを傷つけてしまったり、後ろに暗いことを背負ってしまう。それでも、自分に家庭ができて子どもができた時は、その子を一生懸命愛して幸せにしてあげたい。そういう想いを込めています。

■まさに“人であるがゆえ”なんですね。そして最後、「独立記念日」。メジャーでのスタートとリンクするタイトルですね。
臼井:この曲はもともと「夢」というタイトルで、3年くらい前に作ったんです。僕がバンドを辞めて、ソロで始めた頃ですね。理想へと向かっていく模索と不安を歌っています。

■曲もスローテンポで、「グッドラックイエスタデー」とはまた違った、その頃の前途不安な気持ちが伝わってきますね。
臼井:子どもの頃に描いた理想とは違うけど、その中でもがいて、希望を持って進んでいこうっていう歌です。この時が、ソロになった僕の独立記念日だったんだな、と思ってメジャー・デビューの今作に入れました。

■メジャー・デビュー後の活動に関して、何かビジョンはありますか?
臼井:今度はラブソングを予定しています。みんなで歌ってもらえるラブソングを作りたいです。

■リアリティある臼井嗣人流のラブソング、聴いてみたいですね!
臼井:はい。頑張りますので、宜しくお願いします!
Interview&Text:吉田大悟
RELEASE
『グッドラックイエスタデー』『グッドラックイエスタデー』
TFCC-89234 \1,050(税込)
TOY’S FACTORY
2008年1月23日発売
1.グッドラックイエスタデー
2.人であるがゆえ
3.独立記念日

着うた® ミニ・アルバム『疑似餌』全曲配信中
うた@トイズファクトリー(着うた®) http://toys-uta.jp/uta/
レコード会社直営サウンド(着うた®) http://recochoku.jp/pcs/

その中から「春紫苑」「渋谷零時五十二分」を着うたフル®で配信中
うた@トイズファクトリーフル http://toys-full.jp
レコード会社直営フル http://recochoku.jp/f/

※着うた®・着うたフル®は、対応端末のみのサービスです。
※着うた®・着うたフル®はソニー・ミュージックエンタテインメントの登録商標です。

PROFILE
臼井嗣人(うすいひでと)
1981年9月1日生まれ。高校時代よりTHE YELLOW MONKEYの吉井和哉に傾倒。ヤマハ音楽院ヴォーカル科を卒業後に結成したバンド“Ginger man”での活動後、自分の音楽を追及し、シンプルなギター弾き語りスタイルでソロ活動を開始。2007年3月、ミニ・アルバム『疑似餌』を発売。配信した楽曲「春紫苑」が20万ダウンロードを突破。そして2008年1月、ファースト・シングル『グッドラックイエスタデー』でメジャー・デビューを果たす。
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