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昨年末に行われた第39回日本有線大賞の有線大賞新人賞に見事輝いた「アンマー」がロングヒットを続ける、沖縄出身のロックバンド、かりゆし58。彼らの初のフル・アルバムとなる『そろそろ、かりゆし』が遂にリリースされた。そのファースト・シングル「アンマー」発表後、全国各地でエネルギッシュな活動を続ける彼ら自身にとっても、この作品の仕上がりについては、ひときわ喜びと自信に満ちたものであるようだ。
「ほんとうにここから始まるなって感じですね。自分でアルバムを聴き直しまして、ヴォーカルはもちろん、オケだけでも楽しめる楽曲が多いので、我ながらかっこいいなって(笑)」(新屋行裕/Gt)
「ライブでも既にアルバムからの楽曲を演奏しているので、楽しいですね」(中村洋貴/Dr)
「いろいろな取材でも、聴いてくれる人に届いているところを想像しながらお話するのが楽しいです。去年から制作活動をはじめて、録音も一気にやるのではなく、月に数日取って、スケジュールを立てて取り組んだので、一年間の思いもそうですし、バンドの成長というものがはっきりと浮き彫りになっている、言ったら写真のアルバムのような作品というか、僕たちがこの一年間感じたことや、かりゆし58の成長がちゃんと出ているアルバムになっていると思います」(前川真悟/Vo&Ba)
10月に配信限定で発売された「電照菊」、その前にリリースされた「手と手」といったシングルはもちろん、希代の名曲「アンマー」もアコースティック・バージョンで収録されたアルバムには、彼らがこの密度の濃い期間で感じた思いがダイレクトに綴られている。デビュー当時のパンキッシュなバンド・アンサンブルに加え、レゲエやスカなど、アレンジメントやリズムの面でもさらにバリエーションを拡大。「アンマー」リリース時に行ったアコースティック・ライブといった経験もあり、一段とおおらかで懐の深い音世界へ歩みを進めた彼らは、やさしさのなかに、人と人との繋がりの大切さや人生を自分のものとしていくことの意思を表現している。
「実はファースト・ミニ・アルバム(『恋人よ』)もセカンド・ミニ・アルバム(『ウージの唄』)も、沖縄から出たことのない状況で作ったアルバムなんです。なので自己紹介であり、自分のアイデンティティを音楽に変えたという内容だったと思います。「アンマー」や「ウージの唄」をきっかけに全国いろんなところでライブができるようになって、そのときはじめて、例えばバイト代から自分たちのCDを買ってくれるような、自分の音楽を支持してくれる人をちゃんとみて、そういう人たちと触れあい言葉を交わしてという一年を過ごしてきたので、次はこの人たちにどういう気持ちを伝えたいかという、届け先の見える初めてのアルバムなんです」(前川)
バンドとしての存在証明を確認し、自らの表現と向かいあうことで辿り着いた『そろそろ、かりゆし』。音楽を自由にそして素直に楽しむというバンドのメッセージを一緒にかみしめてほしい作品だ。 |
Interview & Text:駒井憲嗣 |
RELEASE |
『そろそろ、かりゆし』
191-LDKCD ¥2,625(税込)
LD&K Records 発売中
⇒http://www.ldandk.com/kariyushi58/
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