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名取香り

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気づいたんです。今までのカッコイイ名取香りも
この弱い名取香りも両方とも私なんだ、って。
INTERVIEW
8ヶ月ぶりとなるシングル「シャワーを浴びる前に」をリリースする名取香り。
クール&ビューティーが代名詞でもある彼女が、女の子の抱えている面倒でワガママな心をしっとりと柔らかなメロディーにのせて歌い上げている。新たなる名取香りサウンドの誕生ともいえる今作品について本音で語ってもらった。

■「シャワーを浴びる前に」って非常にインパクトのあるタイトルですよね。
名取香り:正直、最初は「なんじゃこりゃ!」って驚きました(笑)。最初はこれまでのようにクールな雰囲気を持つ英語のものを考えていたんです。でも、詞やスタッフの意見を聞いているうちに振り切れちゃったんです。

■振り切るきっかけとなったのは?
名取:レコーディング終了後にトラックを聴いて、感情が変わりました。全部吐き出すというか「本当の名取香りを見せるってことは、こういうこと」って。でも、今でも「シャワーを浴びる前に」と言うたび、ちょっとこみ上げてきますね、何かが(笑)。

■番組で曲を紹介する時にドキっとしちゃいそうですよね。
名取:自分で曲紹介する時も恥ずかしい。「シャワーを浴びる前に何なのよ?」って。私がいつも思うってことは、多分、聴く人たちも「何なんだよ?」って思うんじゃないかな。それがプラスに転じたらいいな、と。

■作詞を担当されたのは、前田たかひろ(※)さんで、8時間トークセッションされたそうですが、どんな雰囲気で?
名取:最初に前田さんに「本当はすごく弱いでしょ?」って言われたんです。「なんだこのおじさん、どうしよう!」って。それに対して「そんなに弱くないです」と返しても、「いや、本当はすごい寂しがり屋でしょ?」「そうでもないですよ」と繰り返す感じ。そんな話の展開、有り得ないよ、って思いながら。その時は、まだアーティスト名取香りの顔だったんです。でも、前田さんには人を見抜く力があって、私のドキっとする部分を捕まえては言って、捕まえては言うんですよ。最終的には「そこまで見抜くなら、自由にしてください」と。どんどん「私をわかって欲しい」っていう気持ちになってきて、完璧に本名の“名取かおり”で、ちょっと涙ぐんじゃったりして。自分についていろいろと話しました。

名取香り■そのトークセッションの末に完成したのが「シャワーを浴びる前に」ですね。
名取:歌の中に私がいれば、どんな風になってもいい、とリクエストして、出来たのが「シャワーを浴びる前に」。で「なんじゃこりゃ!」と(笑)。「何この女? どうしてそんなに弱いの?」って。でも、間違いなく私なんですよ。どこの部分をとっても説明がつかないくらい私というか。「いきなりやられたなぁ」っていう感覚と「これ歌えるかな?」っていう感覚。これまでは、自分がなりたい女性像を書いてきたと思うんですよ。でも、真実だったり、本当に思ってることを書いてたつもりでも、人って絶対に誰にも見せたくない部分っていうのがあると思うんです。私にもそういう出来事があって。

■どんな出来事が?
名取:うちのお母さんは5人の子供を育てつつ、日本舞踊家であり芸術家なんです。自分のやりたいことをしっかり持っているお母さんが、ある日、洗濯機の前で洗濯物を入れながら泣いていたんですよ。私が23歳ぐらいの時なんですけど、その出来事を思い出したら「お母さんには泣く場所がなかったんだ、子供たちに悟られないように泣く場所は洗濯機の前だったのか」と。じゃ、自分の泣く場所はどこだろう? と考えたら、私は悲しいことがあると、すぐシャワーを浴びるんです。化粧をしたまま、お風呂に行って。シャワーって顔から浴びていると、水が流れて、自分が泣いているかどうかもわからないし。うちは兄弟が多いので、部屋で泣いたことはないかも。だから私はシャワーの中で、って前田さんに話したら、この曲が完成したと。

■曲に登場する女性について「本当に嫌いな女性像…でも私です」っていう名取さんのコメントが非常に印象的なのですが?
名取:(資料を見ながら)おっとぉぉ。この資料誰が作ったの?(笑)。最初は「前田さんが私を想像して書いた」なんて言っておけば、私がこんな女じゃないって思ってくれるだろうなって考えてたんですけど。

■あくまでも曲の中の女性として?
名取:そうそう。そういう手もあるな、と。でも、正直に言っちゃった。正直でいたい、ってのが本当ですね。「クール&ビューティー・名取香り」とか「夜のディーバ」とか、全然クールじゃないし、昼に起きてるし。夜にしか起きてないみたいな、そういうイメージが根付いていたと思うんですよ、名取香りって。でも、全然そうじゃないんです。5人兄弟の中で育ったらクールなんて無理。ちっちゃい頃から自分の感情をすぐアピールしなきゃいけなかった。だから、全てをさらけ出すことが私の幸せなんです。だから、リスナーに対しても、何も隠さない裸の私でいたいですね。

■では、どんな人にこの曲を届けたいですか?
名取:突っ張ってる人や人生を走り抜けている人が聴いたら「気が小さいな」って思うかも。でも、私が一番捉えたいのはそういう人。そんな人が、ふと女に戻る瞬間に自分の泣く場所を作れたら、ある程度のことは乗り越えていけるんじゃないかなって。電車の中でこの曲を聴いて、帰り道、誰もいないとこで自分と向き合って「あたしって泣く場所あるかな。ひとりぼっちなんてイヤだ、って言える人はいるかな」って思ってくれたらいいなって思っています。

(※)前田たかひろ……作詞家。代表的な作品として安室奈美恵の「Chase the Chance」、「Don't wanna cry」など。他にも知念里奈、松たか子、鈴木あみ、TRF、観月ありさ、甲斐バンド、織田裕二、吉川晃司など数多くのアーティストに詞を提供している。
-Interview & Text:水野春奈 -
DISC INFORMATION
名取香り 『シャワーを浴びる前に』名取香り 『シャワーを浴びる前に』
UPCH-80033 ¥1,100(税込)
NAYUTAWAVE RECORDS
1.シャワーを浴びる前に
2.ワガママ奴隷
8月22日発売
PROFILE
名取香り(なとり かおり)
1982年東京都生まれ。3歳よりバレエを始め、2003年には文化庁バックアップの公演でソロを踊るなど、その実力はプロを目指すレベルであった。その後、歌手になることを決意、本格的に歌のレッスンを開始する。2004年、プロデューサーの与田春生と出会い、2005年1月にシングル「Gentleman」で待望のメジャー・デビュー。クールなルックスとパワフルな歌唱力で、オーディエンスを魅了する実力派ディーバの1人。

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