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小さな幸せを見つける達人
大津貴子
親子の絆を歌った感動作でメジャー・デビュー |
INTERVIEW |
〈言葉より強い音楽の力〉を信じ、大阪からキーボードひとつだけを持ち、東京に出てきた大津貴子(おおつきこ)が、2月21日に作曲家鈴木キサブローが編曲にまで携わったという意欲作「父と娘のうた」で、メジャー・デビューを果たした。この曲は、大人になって父の愛情が解るようになった娘の視点から描かれた、とても暖かな曲だ。
「初めてこの曲を聴いた時、自分の人生とあまりに重なる歌詞だったので、涙が止まらなくなってしまって。でも(その時点では)自分が歌えるってまだ分っていなかったので、“どうしてもこれを歌わせて欲しい”ってお願いして、自分のCDとして出せることになったんです。自分の言葉そのものって感じで、感情移入して歌っています」
デビューの当日に一番におめでとうと言ってくれたのは、ずっと反対していた父だった、と満面の笑みで話す彼女。今回のシングルは、親子の愛を歌ったこの曲と、彼女自身が作詞・作曲を手掛けた、恋愛と夢への強い想いの間で揺れる主人公の曲「Lovin'
Darlin' Forever」が収められている。
「ちょうど5年前に作った曲ですね。夢を追っかけるあまりに、自分の恋愛を大切にできなくなってしまって。そういった時にできたものです。東京に来るキッカケにもなった曲で、昔からあるすごい思い入れの強い曲なので、デビュー・シングルのカップリングとして、ふさわしい曲だと思います」
デビューのキッカケは、3年間休まず続けた渋谷NHKホール前ケヤキ通りでの、ストリートライブ。東京に出てきたばかりでライブハウスも知らない彼女は、ストリートなら明日からでもすぐに始められるという理由で、その場所を選んだ。そこでは、たくさんのかけがえのないものを得た。
「毎週末土日やるって決めて、風邪であろうと、雨が降っていようと必ずライブをしていたので、続けることの大事さを学んだのと、一番は出会いの大切さですね。たくさんの出会いがあって、繋がっていって、今こうやってみなさんに支えていただいたり、応援していただいたりしているんだなってことを感じました」
人との繋がりを大切にし、いつも周りへの感謝の気持ちを忘れない姿勢。日常生活に埋もれてしまい、忘れやすいこと。
「私は、小さな幸せを見つけることが好きで、いつもアンテナを張るようにしているんです。でも、小さい幸せって見落としがちで、今の時代ってすごい荒れているなぁって思うんですね。だから、特別なものじゃなくて、こんなに日常生活で素敵なものがいっぱいあるよっていう暖かい心のこもった歌を作り出していけたらなって思っています」
暖かい音楽が今の世の中には不足しているのかもしれない。ひとりでも多くの人にそれを届ける為に彼女は歌う。
「今後の目標は、時代に流されず、10年経ってもいつまでも変わらない状態で聴いてもらえるような曲を作れるアーティストですね」 |
DISC
INFORMATION |
大津貴子『父と娘のうた』
UPCH-80003 ¥1,100(税込)
NAYUTAWAVE RECORDS 発売中
→大津貴子公式サイト:http://ohtsu-kiko.com |
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